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家

Mr and Ms

Mr and Ms
浦島太郎の玉手箱は、その箱を開けた時、物語を終えている。中にきちんと整理された宝石でも入っていたなら、物語は成立していない。

イベントとなりつつある婚礼を終えると、新生活には、電脳化した製品が溢れていく。次から次へと購買欲をそそられる新製品を買い替え、現代生活は、益々便利になっていくでしょう。しかし、思い出や物の価値観が、希薄になってはいないだろうか。
メモリアル・ファニチャーとして名付けられた家具は、結婚した時、子供が生まれた時、引越した時、就職した時、等の思い出として、そして、抽斗の呪術性から、より記憶に残りはしないだろうか。

玉手箱のような呪術性が、閉じられた箱としての、抽斗の魅力です。箱は、何が入っているのだろうか、という好奇心を持たせてくれます。
ここにあげた商品構成は、一例であり、まだまだ発展する可能性は、充分あると考えています。また、ワードローブ等の大きな家具を引き立たす小さい家具としても、意味があります。巷には、小物のショップが増えています。小さい家具から、脱ブライダルの可能性を、見い出すことはできないでしょうか

抽斗の呪術性を引き出すために、よりシンプルな意匠とし、抽斗を開ける時の、ツマミが2種類あり、そして、木とシルバー(ツマミの台座とキャスター)の組み合わせによる現代感覚をデザインしました。

1996年7月
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