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群馬県デザイン高度化事業 試作品 savoir

群馬県デザイン高度化事業 試作品 savoir
savoirと名付けられたこの商品は、18世紀後期から19世紀にかけてアメリカでつくられた シェーカー様式を参照とし、デザインされた。
現代の生活、特に都市の生活においては、物の氾濫だけではなく、物のイメージが情報として、次から次へと、飛び交ってくる。物(商品)自身の情報や、その物の整理の仕方、整理される物(家具など)の情報、そしてそれらを置く住居スペースの情報も氾濫している。
こうした現代の生活において、シェーカー家具のデザインコンセプトは、有効かつ必要と考えそのデザインコンセプトを特に重視した。
シェーカー家具は、装飾要素を全く排除し、生活機能を重視した単純な形態をデザインコンセプトとし、それを作ったシェーカー教団は、家具に彫刻などを施すことは虚飾であり、真の美とは、機能性の表現であると考えている。また彼らは、世俗的な快楽から見をひき、禁酒禁煙で男女別々の共同生活を営み、その汚れのない生活の中から飾りのない素朴な家具が生まれ、また充分に計算された共同生活の綿密なプランからは、無駄のない家具が生まれたのである。
箱物家具の機能として、物の整理の仕方やしまい方を強制するのは、オフィス家具だけであり、一般家庭用の家具ではそれらを、ゲームのように楽しませたり、時には悩ませたりすることが必要である。このSAVOIRでは、アイテム構成として物の整理の仕方やしまい方を楽しませ、そして住居スペースのなかではその配置を楽しませてくれる。また装飾を排除したデザインは、直線構成のなかになつかしさを感じさせる和の要素を盛り込み、天板の色を変えて住居の中の見せる空間(パブリックスペース)にも対応するようにした。均一な空間であるマンションやせまい住居スペースを考えてのことである。
SAVOIRは、以上のようなシェーカー家具や収納の機能のことのついて知っているという意味で「知識」というフランス語で名付けられた。また色の名前が日本とフランスでは、共通して自然物であり、色に特長を持つこの家具には、和のイメージを飛び越えたいということからフランス語にした。

1993年10月
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